品種紹介: ミスティー

「霧」と聞いて、どんな情景を思い浮かべますか? 朝もやに包まれた山の風景、幻想的にかすむ湖畔の木々、あるいは夏の早朝にほんのり立ちのぼる水蒸気…。 気象学的に言えば霧(mist)は大気中に浮かぶ微小な水滴の集合体で、視程が1km以上あるものを指します。曇ってはいるけれど、どこかやさしく、包み込むような気配。 そんな「霧」を思わせる名前のブルーベリーが、**ミスティー(Misty)**です。 ミスティーの魅力、それはまずその爽やかで軽やかな味わい。 やや早生で6月下旬〜7月中旬頃が旬。暑さが本格化する前に、すっと舌の上にのってくる…そんな清涼感を感じさせてくれる品種です。 果実は中粒〜やや小ぶりで、繊細な果皮と明るめのブルーが印象的。そして食べるとふわっと感じる上品な甘さと、やや控えめな酸味。全体的に「やさしい」「涼やか」という言葉がぴったり。まるで朝の霧が、そのまま実になったような存在。 しかしこのミスティー、見た目と名前の印象とは裏腹に、実はかなりしっかり者でもあるんです。 樹勢は強く、生育旺盛。剪定や管理をしっかりしてあげれば、しっかり応えてくれるタイプ。見た目と性格のギャップに、ちょっとキュンとしちゃいますね☺️ また、暖地向けの品種でもあるため、温暖な地域でも安定して育ちやすいのも特徴です。 つまりミスティーは、内に熱を秘めた霧。見た目は涼やか、中身はアクティブ。ギリシャ神話で言えば、水の女神が剣を持って戦場に現れたような、そんなギャップ萌え系ブルーベリー。 ミスティーという名前は「霞のような儚さ」を想像させますが、 実際にはしなやかで芯のある強さを持つブルーベリー。 一粒口に含めば、夏の朝の静けさと、そこに潜むエネルギーを感じることができるかもしれません。